大判例

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横浜地方裁判所 昭和39年(モ)1183号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決要旨〕忌避の申立が明らかに訴訟の遅延を目途とする忌避権の濫用に当る場合は、民法第三九条、第四〇条の適用はなく、忌避された裁判官が自から却下の裁判をすることができ、更に民訴第四二条も適用の余地がなく、裁判官は忌避の申立を却下したうえ訴訟手続を停止しないで口頭弁論を命ずることができるものと解するを相当とする。

〔決定理由〕当裁判所が昭和三九年六月二三日附決定を以て申立人の申立にかかる当庁同年(モ)第九二七号裁判官忌避申立事件の申立を却下したのは同申立の理由とするところと本件訴訟の従来の経過とに徴しその申立が明らかに訴訟の遅延を目途とする忌避権の濫用に当るものと認めたことに因るものであつて、かかる場合には通常の場合についての民事訴訟法第三十九条、第四十条の適用はなく、刑事訴訟法第二十四条第二項のように明文の規定はないけれども、忌避された裁判官が自から却下の裁判をすることができるものと解するのを相当とするのみでなく、更に民事訴訟法第四十二条も亦通常の忌避申立がなされた場合の原則的な規定であつて、忌避権が濫用された場合には右法条は適用の余地がなく、裁判官は忌避の申立を却下したうえ訴訟手続を停止しないで口頭弁論を命ずることができるものと解するのを相当とする(本件訴訟手続進行中申立人がなした当庁昭和三八年(モ)第二、四三五号裁判官忌避申立事件の申立却下決定に対する即時抗告事件たる東京高等裁判所同年(ラ)第七四六号事件の昭和三十九年一月十六日決定参照)が故に、申立人指摘の同法第四百十八条第一項の定めるところにより本件申立直前の前記忌避申立却下の裁判に対して申立人が即時抗告をしたため同裁判の執行停止の効力を生じたからといつてその結果同法第四十二条本文所定の当該忌避申立に付けて裁判の確定に至るまで訴訟手続を停止することの必要はなく、右即時抗告のあつたことにかかわらずなおかつ口頭弁論を進行せしめうべきものといわねばならない。かく解するに非ざれば忌避権が反覆して濫用される場合に当該訴訟は延々としてその終着するところを知らず、裁判の目的たる正義と公平の実現はついに期しうべくもないからである。(若尾元)

(注) 本件は、決定文中にもあるように、反覆して忌避申立がなされた。その忌避申立を理由なしとして却下したものである。

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